男女が共に築く社会に必要な視点
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平成16年11月、全国20歳以上の者を無作為抽出法で5000人を対象に、国は男女共同参画社会に関する世論調査を行ないました。
調査内容「男女の地位に関する意識について」の平成4年から今回が5回目となるまでの統計を見てみると、男女が地位の平等感を持つ場所が、「家庭生活」で39.9%,「学校教育の場」で66.8%,「法律や制度の上」で39.3%においてはほぼ平等だと感じているのに対して、「職場」で25.0%,「政治の場」で19.7%,「社会通念・慣習・しきたりなど」で17.2%と平等であると感じる意識が低く、どちらかと言えば男性の方が優遇されていると答えている人が多数という結果が出ています。
また「仕事と家庭生活または地域活動への女性の望ましい係わり方」に関しては「家庭生活・地域活動にも携わるが、あくまで仕事を優先させる」という人の割合が、平成9年の調査時では全体で6.9%だったのに対し、今回は21.2%と非常に増加しました。
そのような調査結果から考察してみると、現在の日本人は学校や家庭においては平等だと考えているし、法律や制度の上でも平等は守られつつあることを実感しているようですが、大人としての社会生活を営む上では、実際の現場となる職場、国の中心である政治の場、社会通念や慣習という場においては、男性優位社会であること感じているということです。
日本が昔から守ってきた伝統や、慣習制度は長年の人類史となって人の価値観を支える支柱となっているため、そう簡単に変えることは難しいでしょう。
科学の世界には、「パラダイムシフト」という言葉があります。
ある重要な発見や理論が登場することによって、その時代を支配している規範的な考え方が根底からくつがえり、社会の価値観に影響を及ぼすというほど劇的な変化を指し示す言葉です。 たとえば、天動説から地動説への変化のようなものがそれに値します。
そのようなパラダイムシフトと呼べるに相応しい価値観や理論が登場してこない限り、従来の慣習を覆すことは出来ないのだと考えます。
ではどのようにすれば、日本の国民が男女共同参画という社会に向けて意識を向け、認識を促し、価値観の転換を図ることが出来るのでしょうか?!
それは自分が重要だと思ってこれまで生きてきた、価値観や道徳観を再認識してみることです。
男女共同参画社会を実現するために必要な考えは、まず自分自身が平等に社会に対応することが原点であるように思います。 自分が女性だからとか、男性だからというような性別を踏まえた視点から捉えている限り、平行線を辿ることは当たり前です。
男性と女性は実際に本性が違うのですから。
女性も男性も生命=いのちを持つ人間としては同じです。
男女を問わず、病気にかかりますし、必ず死にます。
男女であること以前に、人を殺したり傷つけたりしてはいけないという人道的基準と同じことです。
そのような視点から、自分の意見を再度確認してみることで、偏った見方や偏見が修正されるのではないでしょうか。
男女が社会的に平等に認められること=自分が社会に平等に関わること
ではないでしょうか。
よくgive and take という表現を使います。これは与えるだけでも、受けるばかりでも駄目だということの意味ですが、自分が社会に対して平等であること、人に対して偏見なしに平等意識であることなしに、相手に平等性ばかり求めて主張することは平等的視点とはいえません。
男女共同参画社会を築くことは、女性らしさや男性らしさをなくす事ではありません。
平等社会だけではなく、共同して成り立つ社会を目指すことが大切なのです。
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